「やりたいこと」と「会社の方向性」が一致する人が出世する理由

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私はエンジニアとして20年以上キャリアを積んできました。その間、数多くの社員の成長や昇進を見てきましたが、ある共通点に気づきました。それは、「自分のやりたいこと(いわゆるワガママ)」と「会社の方向性」が一致している人ほど、大きな成功を収めているということです。

今回は、実際に私が経験した具体例を交えながら、なぜこのような人材が成功するのか、詳しく見ていきたいと思います。

目次

田中さんの事例 ー 個人の情熱が会社の成長エンジンに

まず、印象に残っている事例として、当社の営業部門で急成長を遂げた田中さん(仮名)の話を紹介します。

入社5年目の田中さんは、従来の対面営業だけでなく、デジタルマーケティングを活用した新しい営業手法を導入したいと強く主張していました。一見、若手社員の「ワガママ」とも取れる提案でしたが、実はこれは会社が目指していたDX推進の方向性と完全に一致していました。

田中さんは休日を使って独学でデジタルマーケティングを学び、平日の業務終了後には具体的な施策を練り上げていました。上司に相談する際も、単なる提案ではなく、実現可能な具体案と予測される効果を数値で示すなど、徹底的な準備を行っていました。

この「ワガママ」は最終的にプロジェクトとして承認され、田中さんはその中心メンバーとなりました。結果、従来の営業手法では接点を持てなかった顧客層の開拓に成功し、部門の売上を前年比150%まで伸ばすという快挙を成し遂げました。

山田部長の変革 ー 製造現場のデジタル化への挑戦

もう一つ、マーケティング部門の山田部長(仮名)の例も興味深いものです。

山田部長はマーケティングとして30年のキャリアを持つベテランでしたが、「マーケティングでもAIを活用した効率的な情報収集の革新が必要だ」という強い信念を持っていました。これも会社のデジタル化戦略と方向性が一致していました。

しかし、現場では「今までのやり方で十分」という声が大多数を占めていました。それでも山田部長は諦めませんでした。まず、小規模な実証実験からスタートし、データに基づいて効果を示していきました。現場の作業員一人一人と対話を重ね、新しいシステムの利点を丁寧に説明し、理解を得ていきました。

その結果、2年かけてマーケティング部門全体のAI化を実現。データ作成の重複が40%削減され、生産効率は25%向上という素晴らしい成果を上げました。この成功は他部門にも波及し、現在では全社的なAI改革の象徴となっています。

なぜ「ワガママ」と会社の方向性が一致する人は成功するのか

これらの事例から、以下の要因が浮かび上がってきます:

1. 内発的モチベーションの高さ

自分のやりたいことと会社の方向性が一致している人は、言われたからやるのではなく、自ら進んで行動します。田中さんの例では、休日も使って学習に励むという強い向上心が見られました。

2. 徹底的な準備と実行力

「やりたい」という思いが原動力となり、周到な準備を行います。山田部長のケースでは、反対意見が多い中でも、データと対話を重ねることで着実に変革を進めていきました。

3. 困難への強い耐性

自分の信念と会社の方向性が一致しているため、困難に直面しても簡単には諦めません。これは長期的なプロジェクトを成功に導く重要な要素となります。

4. 周囲を巻き込む力

単なるワガママではなく、会社の方向性と合致しているため、周囲の理解と協力を得やすいのも特徴です。自分の想いを会社の文脈で説明できるため、説得力が増します。

会社が得られるメリット

このような人材がいることで、会社は以下のようなメリットを得られます:

  1. 変革の推進力を得られる
  2. 具体的な成果に結びつきやすい
  3. 周囲の社員にも良い影響を与える
  4. 組織の活性化につながる

経営者・管理職への提言

このような人材を活かすために、経営者や管理職が意識すべきポイントを3つ挙げます:

1. 「ワガママ」を単なるわがままとして却下しない

一見、突飛な提案や従来の方法と異なるアプローチでも、会社の方向性と合致している可能性があります。しっかりと耳を傾け、その本質を見極めることが重要です。

2. 挑戦の機会を与える

小さな実験から始めることを許容し、成功の機会を提供しましょう。失敗も学びの機会として捉える文化づくりが大切です。

3. 適切なサポート体制を整える

情熱だけでは実現できないこともあります。必要なリソースや権限を適切に付与し、成功に導くサポートを行いましょう。

おわりに

「自分のワガママ」と「会社の方向性」が一致している人材は、まさに組織の宝です。彼らの存在は、会社の変革と成長の原動力となります。

重要なのは、このような人材の発掘と育成を意識的に行うこと。そして、その情熱を適切に導き、組織の成長につなげていく仕組みづくりです。

個人の情熱と会社の方向性が一致するとき、そこには大きな可能性が生まれます。これからの時代、このような人材の存在がますます重要になっていくことでしょう。

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